ラリー・スウェーデンの競技最終日デイ3は、トルシュビーのサービスパークの北側に広がる全長21.19kmのステージ「リケナス」を1回のみ走行する短い1日でした。ラリーウイーク前半の時点では2回の走行が予定されていましたが、日曜日は気温が上昇し、また大雨が降る可能性もあってステージコンディションの悪化が避けられない状況となり、1回のみの走行に変更されました。その、最終日唯一となったSS18は、トップ5タイムを記録した選手に対してボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定され、最後まで激しいタイムアタック合戦が行なわれました。
予想通り天気は大きく崩れ、ステージの周辺は強い雨が降り続き、気温も6度前後まで上昇。道を覆っていた雪や氷が解け、非常にトリッキーな路面コンディションになりました。しかし、エバンスは落ち着いた走りで6番手タイムを記録。総合2位のライバルに12.7秒差をつけ、2017年のラリーGB以来となるキャリア2勝目、そしてチーム加入後最初の勝利を手にしました。総合3位となった開幕戦ラリー・モンテカルロに続き表彰台に立ったエバンスは、42ポイントの同点でライバルに並び、彼のキャリアの中で初めてドライバー選手権で首位に立ちました。
デイ2で激しい3位争いを繰り広げたオジエとロバンペラは、ロバンペラがパワーステージで2番手タイムの選手に対し、3.7秒という大きな差をつけるベストタイムを記録。3番手タイムだったオジエを逆転して総合3位でフィニッシュし、WRカーでの出場2戦目で表彰台とボーナスの5ポイントを獲得しました。なお、19才でのポディウム獲得は、従来の記録を2才以上更新する史上最年少記録となります。オジエは、表彰台こそ逃しましたが、総合4位に入りパワーステージでは3ポイントを獲得。首位エバンスと5ポイント差の、ドライバー選手権3位につけています。なお、チームはマニュファクチャラー選手権において、2位のチームに10ポイント差をつけてトップに立ちました。
開幕戦ラリー・モンテカルロに続き、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより出場の勝田貴元は、堅実な走りを続け総合9位でフィニッシュ。デイ2最後のSS16では5番手タイムを記録するなど、成長をタイムで証明しました。また、プライベーターとして、ユホ・ハンニネンをコ・ドライバーに迎えてヤリスWRCで出場したヤリ-マティ・ラトバラは、デイ1でクルマにトラブルが発生し、残念ながらリタイアに終わりました。